「もしも自分だったら」で楽しむ物語

ちょっと面白いなと思ったエピソードが2つあります。

 

一つ目。

友人と面白かったミステリ系アニメの話をしていました。そのアニメはラノベが原作で人狼ゲームみたいな物語です。魔王打倒のために集まった登場人物の中に一人だけ偽物が潜んでいるというものでした。原作を読んでアニメを視聴していた私は、ミステリ好きな友人とそのアニメの話をしていました。

登場人物全員怪しいけどアリバイがあります。「みんな怪しいよねー」とか話していたら、友人がふとこんなことを言いました。

「もしも私が作者だったら、こいつを偽物に設定するかな」

友人は疑わしいキャラクターとそのアリバイを推理し始めました。原作を読んでいた私はびっくりしました。友人の推理はピッタリ当たっていたのですから。

 

 

二つ目。

私はあるミステリ小説を読み、その完成度に感動していました。コミカライズ版もあるとの情報を知り、それも読んでみたいと思いました。

家人と物語に登場する建物の間取り図を見ながら作品の話をしていた時です。家人は間取り図だけで犯人を当ててしまいました。曰く、

「もし自分が犯人だったらこうする」

と。

 

どちらのエピソードもミステリで、友人も家人もその作品を知らないのに、「もしも自分だったらどうするか?」という観点で推理して犯人を当てていたのが、とても印象的でした。

以前のブログでも書きましたが、私は読書をしていると物語にどっぷりと溶け込んでしまいます。そういう楽しみかたしか知りませんでした。自分がその体験しかしたことなかったからです。だから2つのエピソードにあったような「もしも自分が作者だったら?」とか「もしも自分が犯人だったら?」みたいな着眼点がとても面白かった。自分が物語に溶け込まなくても楽しむ方法があるんだ! と発見がありました。

他の人が物語をどう楽しんでいるのかを知ることはとても興味深いことがらです。友人のように「自分が作者だったらどうするか?」という楽しみかたも、家人のように「自分が犯人だったらどういう犯行計画を立てるか?」という楽しみかたも、私のように物語そのものになってしまうような楽しみかたも、三者三様で楽しいなと思います。いろんな楽しみかたを身に着けていたら、これからの読書や物語を書く行為がもっと楽しいだろうなと感じました。

 

2024年10月に読んだ本

2024年10月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:800ページ
ナイス数:28ナイス

■交換日記がおわっても
作者さんと親友さいさんとのやり取りを描いたコミックエッセイ。小学校から仲良しで、交換日記や手紙、オタ活を続けてきた仲の二人。とにかく作者さんのさいさんへの愛が深い。さいさんの誕生日にサプライズプレゼント仕込むだけでも凄いのに、その内容が愛に溢れている。こういう友情、とても素敵。
読了日:10月01日 著者:AK壱乃

■オルクセン王国史~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~2 (一二三書房)
師団演習編。このコミカライズの凄いところは、普段軍記ものを読み慣れてなくても分かりやすいというところ。小説を読んでいて想像できなかった部分を補完して拡げてくれる。兵站ものと呼ばれているだけあって、軍の食事や裏方事情も満載。ご飯が美味しそう!我が王が雨を止めるシーンは、読んでいて涙が出てくる。
読了日:10月09日 著者:野上武志

■メイドインアビス (13) (バンブーコミックス)
アビスの謎にまた一つ近付いた。アビスでの魂と命についての考察が興味深い。深界七層が想像を絶する危険度で凄い。全然常識が通用しない。だからこそ、地上の常識以上の何かがあるのが分かる。アビスのロマンを感じた。
読了日:10月09日 著者:つくしあきひと

■植物病理学は明日の君を願う (4) (ビッグコミックス)
ネット販売されている苗から、サツマイモ基腐病の感染苗を特定する。実験解析のシーンがとてもリアルで良かった。停電しても、それぞれのアイデアでデータを揃える姿はアツい。新しい品種を作り出すことの手間や時間のかかり方が半端なく、こういう時間と努力のすえに我々は飢えずに美味しい食卓を囲むことができているのかと思うと、農家さんや研究者さんに感謝の気持ちが溢れてくる。
読了日:10月09日 著者:竹良 実

■クリエイターのための物語創作ノート
小説の書き方が分かりやすいと聞き、手に取った。オリジナルの物語の作り方が完結に書かれている。ストーリーの膨らませ方や世界観の作り方、王道やフラグの説明からプロットの立て方まで、まんべんなく書いてある。今までプロットの立て方が分からなかったが、プロットというものが何となく掴めた感じがある。物語創作がしたい時に読むと、書きたい気持ちが高まる。
読了日:10月29日 著者:秀島 迅

▼読書メーター

 

 

10月は5冊でした。ちょっと読んだ数が少なかったかも? まぁ、読書って読んだ冊数を競うものではないでしょうし、よしとしましょう。

読書メーター以外に、2021年から紙のノートにも読んだ本をまとめています。読書メーターは商業的に流通している本だけしか登録できませんが、ノートのほうは同人誌やおまけの小冊子などもつけています。とにかくどんな本(活字)を読んだかを記録しています。一週間ごとの読書記録なので、その週は活字を読んだか、お休みしていたかも記録に残しています。

ノートの記録を見返してみると、2023年に私が読んだ本はおよそ100冊くらいでした。大半がマンガですが、冊数だけ見ると結構読んでいるんだなと感じました。

こちらのブログでも、読了した小説同人誌の感想や紹介を書きたいなと思いつつ、投稿できないでいます。早く投稿できるようにせねばですね。